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自作歌詞制作 Little Prayer

2013年02月22日(Fri)
【[祈]memini】
これはある日の少年の夢のお話。

橙の夕暮れ
雲は赤く色付いて
お日様が眠りにつき始める頃
僕はその場所に立っていた

静かな公園
砂場もブランコもない
そこには幾つもの道が続いている
どれも歩けない程 急な坂

ただ 一本だけはなだらかで
坂を登り切る途中に一軒の家

他には何もない この家だけ
学校帰り 近道で使っていた坂

*坂を登っている最中 家の扉が開いた
出てきたのは僕と同じくらいの女の子

彼女は言った
「君はこの道しか通れないんだね、先にも着いてはいないみたいだけど」
「だけど今日は特別。君に会いたかったの」
「少し私の話し相手になってくれないかしら?」*


暮れないお日様
僕は色んな話をした
笑顔の少女はなぜか どこか寂しげで
幼い僕は気付かないまま

変わらない風景
彼女は悲しげに言った
「もうそろそろお別れ、また会えなくなるんだね」
「またいつか会いにきて?待ってるから」

そして急に視界が暗くなった
そこで夢は終わる。


・・・


これはある日の青年の夢のお話

真っ赤な夕暮れ
雲は赤い血を流して
お日様が息を引き取る頃
僕はまたその場所に立っていた

歪な荒地
そこはもはや公園ですらない
幾つもの道は跡形もなくなって
荒んだ空間にあるのはあの坂だけ

少し登るとその家はあった
廃墟と化したあの日の家が

ふいに後ろから聞こえた声
「君は今更戻ってきたんだね」

*それは僕と同じく時間を経た少女の姿
彼女はボロボロの姿でそこに立っていた

彼女は言った
「もう私のことは覚えてないでしょう?けれど思い出して」
「…今日は最後の日になるのね」
「少し私の話を聞いてくれないかしら?」*

*僕がこの場所を忘れたその日から
この世界は時間を取り戻して崩れ始めた

彼女は泣いた
「君はこの道の本当の行き先を知った」
「この世界が崩れたら私はどうなるかわからない」
「私が消えても君は消えた私のこともいつか忘れてしまう」

「それが怖い、怖いの」

彼女は泣いた
「でももう君は行かなくてはいけないみたい」
「いつか私のことも本当に忘れてしまうね」
「だけどここで得たことだけはどうか忘れないでいてほしい」*


「もう時間みたい 会えてよかった」

「だから…」

バイバイ

[解説と追記]
00:34
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